2010年03月01日
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赤堤通り団地・赤堤通り・上北沢変電所はワンセットで開発されていないという仮説

Written By: 川俣 晶連絡先

 以前に、赤堤通り団地・赤堤通り・上北沢変電所はワンセットで開発されたという仮説という文章を書きましたが、実は違うという解釈に傾きつつあります。

変電所の立地の問題 §

 最近、いくつもの変電所を見ていて共通のパターンがあることに気付きました。

 以下がそのうちの1つです。

  • 表通りに面していない。少し引っ込んだ目立たない場所にある。細い道で表通りに接続しているか、あるいは変電所自身の細い敷地で表通りに接続されている

 このような観点から見ると、たとえば以下の変電所がこのパターンに即していないことになります。

  • 幡ヶ谷変電所 玉川上水新水路跡という比較的太い道に沿っている
  • 高井戸変電所 環八に沿っている
  • 上北沢変電所 赤堤通りに沿っている

 しかし、以下のように解釈すると幡ヶ谷変電所と高井戸変電所は解釈が付きます。

  • 幡ヶ谷変電所 甲州街道という太い道から一歩入った立地である
  • 高井戸変電所 環八に向かって敷地が細くなっていて、本体は一歩下がっていると見なすこともできる

追記:あとで考えてみたら幡ヶ谷変電所も、一歩入った立地そのものでした。玉川上水新水路跡の道路には狭い敷地で接しているだけで、本体は奥まっています。

上北沢変電所の特異性 §

 とすれば、実は上北沢変電所の解釈が宙に浮いてしまいます。

 そのように考えると、実は「赤堤通り沿い」に存在することがおかしいわけです。

 更に言えば、地下送電線のマンホール列が赤堤通り沿いに環七に行くのではなく、古い道に沿って渋谷方面に行くことも分かっています。

 とすれば、以下のことが推測できます。

  • 上北沢変電所の立地を決めるにあたって、現・赤堤通りの存在は考慮に入っていない
  • むしろ、細い裏道としての(しかも変電所に達していない)古・赤堤通りの存在が想定されている
  • 環七に至る立派な現・赤堤通りの構想の方が、実は後から成立しているのかもしれない
  • とすれば、赤堤通り団地も、上北沢変電所よりも後から構想されているはずである

 つまり、上北沢変電所が構想された時点での本来のロケーションは以下の通りです。

  • 表通りは滝坂道であり、そこから少し入った場所として選ばれている
  • あるいは、表通りを少し西のコンビニ前を通る道と解釈してもそこから少し入っている
  • 河川の結節点に近い低地であり、アースに都合の良い場所であると同時に、これ以上各方面に分岐して延ばしやすいロケーションでもある。河川沿いはいろいろな面で土地を確保しやすい
  • その計画に便乗して電力消費の多い赤堤通り団地の計画が起こり、アクセス道路としての赤堤通りが作られてしまった結果、表通りから入った位置にあったはずの変電所が赤堤通りに面してしまったが、今更場所を変えられない

 ちなみに、実際の工事がどういう順番かとは関係ない話なので、その点はご注意を。

最後の重要な補足 §

 という話が事実かどうかは分かりません。けして信じないように。

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